男ウララの旅ぶろぐ

日本の地域の魅力を発信します。

カーリングミックスダブルス 札幌地区予選をふりかえる

札幌MDをふりかえる!!

ミックスダブルスカーリング(MD)は通常の4人制ではなく男女2人でやるという変則的なカーリングです。次回オリンピックから正式種目となります。
僕にとってMDの大会は今回で2回目。前回は先輩と組ませていただき、予選で2勝“させていただき“ました(完全に先輩に頼りきり)。今回も同期で相手が見つからず(泣)、声をかけていた1学年下の後輩と組むことになりました。それが7月頃。
相方は自分のプレーに自信がなく、私がMDなんて…と思っていました。僕は僕で組んでくれて試合に出られるだけでありがたかったので1勝できればいいなあ、くらいの気持ちでした。

9月に武者修行に行くまでに5回くらい練習しました。相方のフォーム改善、相方のショットを僕のスイープでなんとか成功させる技術、あとは本番に僕が個の力を発揮すれば…なんとかなるだろう…

9月中旬、武者修行に行ってきました。タームのメンバーは分かると思いますが、本当になんともなりませんでした。チームビルディングやビジネスの知識は色々学んだ一方で、ビジネスが最後までなんともなりませんでした。その理由は、「やり方」だけでなく「あり方」に目を向けることを怠ったことです。そして、あり方に目を向けるために、独りよがりにならずもっと人と心を通わせることが大切だと学びました。

10月。肌寒くなりつつある北海道で、僕にとって武者修行のやり直しというか、リベンジというか、本当の武者修行が始まりました。MDでなんとしても「結果」を今度こそ出したい。結果が出ないと本当に何も変わらない、何しにベトナム行ったんだ、と。
しかし互いの授業とシート確保の関係で、練習できる日は3回に限られてしまいました。練習試合も出来ず、慣れないシンキングタイム制(両チームに持ち時間が与えられ、その時間の中で作戦を考え石を投げるというルール)への不安も募る中、20日に初戦を迎えます。

結果は惨敗。相方はまだよかったのですが絶望的に自分のドロー(石がハウスの中でちょうど止まるくらいの強さで投げるショット)が決まりません。また相方もテイク(相手の石をはじきとばす速いショット)がスルー(石にふれることなくハウスを通過してしまうミスのこと)。ただでさえレベルの高いMD札幌予選。これで結果は出るのか…?また同じ失敗を繰り返す未来が見えました。
試合後、相方が一言「投げる順番を変えてみませんか?」初戦は僕が1、5投目、相方が2~4投目でした。たしかに僕はテイク、相方はドローが得意ですから変更は一理あります。しかし練習ではほとんどやったことがありません。柔軟な発想なのか無謀な抵抗なのか。。
第2戦、入れ換えたことやアイスになれたこともあり、双方のショット成功率はまずまずでした。しかし、僕の作戦ミスで大量5点を失いそのまま大敗となりました。
試合後、相方が「シンキングタイム制でも間に合いそうだし、できるだけ2人で作戦を考えたいです。」
シンキングタイムは非常に短く、それゆえMD歴でも学年でも先輩の僕が1人で作戦を素早く考え、一方的に指示するのが合理的で現実的な方法だと思っていました。
しかし、この2戦は意外に時間が余ったので2人で時間をかけても大丈夫なのでは、と思い、実際にやってみることにしました。

そして迎えた最終試合。2人ともショットが冴えに冴え連続スチール(不利とされる先攻で点をとること)で2点リード。しかし2ー1で迎えた4エンド目で作戦を見失い、大量失点のピンチを迎える。相方の最後の1投。彼女にとってカーリングをやってきた中で最もプレッシャーのかかったであろう難しいショットを見事決めきり、1点獲得。
残り2エンドで逃げ切り(最後時間ギリギリでしたが)、ついに勝利を手にいれました。

勝利の要因は、練習や試合経験の乏しい中で本番の2試合でPDCAサイクルを回し3戦目に活かせたこと、アイスに適応し2人が高いパフォーマンスを発揮したこと、そして何より2人がお互いに相手を信頼し意見を出し、聞けたことだと思います。
僕は先輩として、技術面の指導はもちろんですが、いつも自信なさげにしている相方に、決して下手ではないんだ、自信をもってプレーしてくれ、と自分の気持ちを練習の時から伝えてきたつもりです。相方は口数の多い子ではありませんが、勇気をもって作戦、指示について意見を出してくれました。

僕はあらゆる意味で女子とよい関係を築くのが苦手でそれはもうそうと認めざるを得ません。その時点でMDは僕にとって挑戦的です。カーリングはチームプレーの面白さと難しさがある競技です。4人制の場合、4人いる訳ですからチーム内でトラブル、温度差があっても逃げ場があるかもしれません。しかし、MDは2人なので逃げ場がありません。前年のMDでそれを実感しました(2つ上の先輩が相方だった)。まして今回は僕が学年でもMD歴でも先輩であり、上下関係が明白です。お互い本音が言いにくい、伝わらないという難しさがありました。そういう点であだ名で呼ぶ&敬語禁止の武者修行ってよく出来てるなあ(^○^)
でも、その壁は乗り越えなければならないと思っていましたので、僕は伝えるべきことは伝えたし、相方も勇気をもって意見を出してくれました。この2人のあり方が正しかったからこそ、最後の試合、レベルの高い格上の相手に勝利できたのだと思います。武者修行では出せなかった成果を、出すことができました。

同期や後輩のチームの中には試合に勝ち続け、道央大会への切符を手にしたところもありました。僕たちがそこに届かなかったことは反省点であるし、1勝して満足してるようではダメなのも事実です。もっとやれることはあったのだろうし、あり方も十分ではなかったのだと思います。

しかし、僕はこの1勝を誇りに思うし、この経験が2人にとってカーリングに限らず今後に絶対つながると思います。試合後に、相方に“MD、やってよかったです“と言われました。そのときの目を見たところ、この言葉は先輩向けのお世辞ではない、相方自身の本心から出た言葉だと確信しました。
相方の普段のポジションはリード、ということで自分の一投で試合を決める経験が少ないことは分かっていました。なので、僕は相方に
「勝利を掴むナイスショットを連発したのは他でもない自分なんだよ、もっと自信をもっていいんだよ!」
と伝えました。その時のやや恥ずかしそうな笑顔を見ると、気持ちは伝わったと思います。

ありがとう、佳奈実。こんな先輩だけどよくやってくれました。おつかれさま。